アルコール使用障害について~第4回(最終回):入院後の生活・外来治療について

第3回では、入院中の生活の様子について掲載させて頂きました。最終回となる今回は、入院後の生活・外来治療についてお話しさせて頂きます。

治療を終え退院された方や外来通院の方が断酒を続けるためには、定期的な通院が必要です。通院時には医師による精神療法が行われます。主治医と患者様が一対一で話すことにより、治療過程を確認することができ、個別にアドバイスを受けることもできます。治療経過を確認する機会を定期的にもうけることで、治療継続に結びつきます。

また、精神療法には集団で行うものもあります。アルコールで悩む人たちがグループを作って取り組む集団精神療法は、仲間との一体感が得られるとういう特徴があり、ひとりでは治療がなかなか続かない人も、集団に入ると、治療へのモチベーションが維持しやすくなります。断酒継続のためには『定期的な通院』・『断酒補助剤や抗酒剤』・『自助グループ』(断酒の三本柱)が必要とされ、集団精神療法には「自助グループ」の効果が期待されます。

 

当院の精神デイケア「フレッシュハート」(http://yoshidahospital.or.jp/cms2/daycare/freshheart/詳しくはこちらをクリックしてください)では集団精神療法の一つとして「グループワーク」と「ミーティング」を実施しています。グループワークでは指定のテキストを用いてアルコール使用障害についての知識を深める学習を行っています。ミーティングはアルコールにまつわることを中心とした様々なテーマで話し合います。話をするなかで、アルコールに対する考え方を整理することができ、仲間が努力している姿をみることで、自分も頑張ろうという気持ちになり、信頼関係が築けます。アルコールを一人で止め続けていくことは非常に難しく、当事者間の関わりが重要になり、アルコールで困っている方にとっては欠かせないプログラムです。このミーティングは週に1回行われており、現在10名程度の方が参加されています。

グループワークやミーティング以外にも当院の精神デイケア「フレッシュハート」は月曜日から土曜日まで行われており、毎日通所してアルコールから離れた環境に自ら身を置き断酒を続ける方もおられます。また、自宅での生活の確認や在宅でのケアが必要な方は訪問看護を利用されている方もおられます。

アルコール使用障害の治療は長期にわたります。仕事や家計、子どもの養育など生活面に様々な影響が出ている方も多いです。そのため、治療を進めると同時に、生活を立て直す必要があります。当デイケアには看護師、公認心理師、作業療法士、栄養士、精神保健福祉士などが勤務しており多職種が連携を図りながら、社会復帰のために各種制度を利用して生活を立て直していき、その人らしい生活を支援していきます。

引用・参考文献

アルコール依存症から抜け出す本樋口進

新・精神科デイケアQ&A日本デイケア学会

****************************************

これまで4回に渡り、アルコール使用障害に対する当院の取り組みについて紹介しました。ある研究によると生活習慣病のリスクを高める飲酒をされている方は1000万人以上とも言われています。約10人に1人がアルコールによる健康障害を引き起こしている可能性があります。アルコールの問題は人ごとではなく、とても身近なものです。ご自身やご家族など身近に心配な方がおられましたら、まずはお気軽にご相談ください。

吉田病院アルコール使用障害ワーキンググループ