<病棟活動紹介~昔なつかしの卵焼き~>

先月、コロナの感染対策によりずっと出来なかった調理活動を久しぶりに実施しました。

今回の題材は「卵焼き」

比較的手軽に出来て、材料も少なくて出来る卵焼きですが、各家庭によって味や食感が全然違いますよね。

我が家では普通と思っていた味や作り方が違うからおもしろく楽しいものです。

今回は6名の患者様と一緒に行いました。

調味料は塩だけで、米にあう!卵焼き。

砂糖たっぷりの少し焦げた卵焼き。

作った患者様や味見担当の患者様も「うちはニラを入れるっちゃが」「うちのより甘いね」「あーこんな味やった」と多くの会話を聞くことができました。

欲張りな私は患者様が作った卵焼きをすべて味見させてもらいましたが、本当に美味しかったです。

私は「楽しい時間の共有」と「手続き記憶の確認」を目的に調理活動を行っています。

認知症の患者様は短期記憶が苦手ですが、昔ながらの手順や思い出は覚えていることが多く、私達スタッフも今回の調理活動で患者様の慣れた手つきに驚き、教えてもらう事が多々ありました。フライ返しを使用する私ですが、患者様は菜箸で上手に卵を巻いていました。

コロナ感染症対策のため保育園児交流会や調理活動、散歩などが出来なくなり、患者様が残念な思いをすることがあったと思います。限られた環境での作業療法活動はもう少し長引くと思いますが、少しでも患者様が「楽しかった、なつかしかった」と思い、ご家族も「まだこんな事ができるんだ」と喜び安心していただける活動を計画、実施していきたいと改めて思いました。

なにより私がとても楽しく、おいしく、素敵な時間を過ごすことが出来ました。次は「ホットケーキ」「豚汁」が作りたいという意見がありましたので、計画中です。

写真もたくさん撮りましたので、ご家族に送りたいと思います。

認知症治療病棟 作業療法士 上野優