令和6年4月のブログは、図書の紹介とさせて頂きます。
私は、これまでにアルコール関係の受診相談や研修、自助グループに参加させて頂き、多くのことを学ばせていただきました。アルコール関連の集まりや自助グループなどに参加する中でよく出ていた話の内容で、「本人はアルコールについて入院治療などで学習できるが、家族は学ぶ場所が少ない!」といった声を聞くことが沢山ありました。世の中には沢山のアルコール関連の図書が沢山ありますが、今回のブログでは、おすすめ図書の紹介として以下の本をご紹介したいと思います(^_^)/
この本は、依存症関連で悩むご家族のための対処法を綴った本になります。
CRAFT(クラフト)とは、Community Reinforcement And Family Training(コミュニティ強化と家族トレーニング)の頭文字をつなげたものです。これらは、アメリカの精神科医らが開発したものです。
特徴としては、家族など依存症者の周囲にいる人が自らのコミュニケーションを変えることで、対立を招かず治療へ繋げることが可能なこと、家族が持っていない力を教えこむのではなく、「すでに持っているけれど効果的に使えていない力」が使えるようトレーニングすること、たとえ依存症者が治療に繋がらなくても、問題行動が減ったり、家族がもっと楽に暮らせる(感情・身体・対人関係面で)効果があるとあげられています。
もし、「どう向き合っていいか分からない・・。こんなに心配しているのに何で分かってくれないの・・」と困っていることがあれば、この本がもしかしたらなにかのヒントになるかも知れません。相手を変えることは難しいですが、自分が変われば状況も変わっていくことがあります(^_^)
また、宮崎県精神保健福祉センターでは、CRAFTを用いた家族教室を開催しています。実際に参加してみるのも良い経験になると思います。
吉田病院 相談員 黒木