<当院のアルコール使用障害(依存症)治療のご紹介について>

当院のアルコール使用障害(依存症)治療のご紹介

-アルコールグループワーク(GW)について-

こんにちは、吉田病院アルコール使用障害ワーキングループです。

今回は当院が行なっている治療プログラムについて紹介します。

新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン(2018)では、断酒治療の第1選択肢は心理社会的治療、第2選択肢として薬物療法と記されています。心理社会的治療とは精神科における各種のリハビリテーションのことです。今回は当院で行なっているリハビリテーションプログラムのグループワーク(GW)についてご紹介します。

・GWの目的やねらいは?

アルコール使用障害(依存症)の理解を深める事、退院後の飲酒欲求への対処法を身につけ、お酒に頼らない新しい生き方を獲得することを目的としています。

・GWはいつやっているの?

入院患者様用と外来患者様用の2グループを運営しています。入院患者様は毎週火曜日の午前中に、外来患者様へは毎週水曜日の午後に行なっています。

・GWの内容って?

同じ悩みを持つ仲間が集まり、集団で行なっています。テキストを通して自身の体験を振り返ったり、仲間の体験談や考えを聞くことで依存症への理解を深めていきます。実際参加された患者様からは、「こんなことを話したのは初めてだ」「自分と同じ思いをしている人が他にもいたんだ」「これまで誰にも話せなかった」と感想を述べられる方もいらっしゃいます。GW通してアルコールに対する考え方やとらえ方も見直していきます。

・いつまで参加するの?

入院患者様は、入院期間が原則3ヶ月なので退院と同時に終了となります。以後は外来グループへ参加可能です。テキストはおよそ半年で修了します。以降の参加については主治医と相談しながら決めることになります。

我々スタッフは、患者様がアルコールに頼らざるをえなかった背景に寄り添いながら、これからの人生をどう過ごしたいか一緒に考えられるような雰囲気作りを心がけています。

プログラムに関心のある方は、お気軽にご相談ください。

アルコール使用障害ワーキンググループ 公認心理師/山中慎也

 

引用・参考文献

新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン 新興医学出版社 2018

薬物・アルコール依存症からの回復支援ワークブック 金剛出版 2011