今回は、入院患者様を対象に実施している作業療法プログラムのARP(アルコール依存症リハビリテーションプログラム)について紹介させて頂きます。
まず、「作業療法ってなに?」と思う方も多いと思いますので、説明させて頂きます。作業療法とは、生活の中で行う様々な作業や活動を通して、回復を目指し、その人らしい生活が送れるよう、治療や支援、援助を行うことです。
アルコール使用障害の方は、「否認のやまい」と言われ、集団で話し合う場を作り、同じ仲間がいることや自身の体験談や思いを話し、聞く事で回復に繋げます。また、アルコールによって、脳や身体へ影響を及ぼすことがありますので、そういった面のリハビリを含め、回復を目指しています。
作業療法プログラムは、作業療法士が中心となって実施していますが、活動によっては、公認心理師も参加することがあります。現在、6~7名の患者様が参加されています。まずは、参加することで、飲まない生活を体験することや生活リズムの改善、気分転換を目的に行っています。
具体的な活動の日時、内容、目的は以下になります。
〇月曜日の午前
・創作活動(毎週)
内容:手工芸
目的:作業の遂行能力や集中力の向上、
趣味の獲得、作品完成の達成
※作品
・院内ミーティング(月1回)
内容:話し合うテーマ(例:酒歴、退院後の生活等)を全体で決め、体験談や思いを話す。
目的:ご自身のアルコールに関する体験や思いを話し、聞く事で回復へ繋げる
※ミーティング会場:作業療法室
・院内AA(月1回)
※院内AAは前々回のブログに内容、目的を更新していますので、ご覧下さい。
〇木曜日の午後
・運動療法(毎週)
内容:散歩、筋トレ、卓球、バドミントン
目的:体力づくり、集団での役割、対人関係やコミュニケーションを図る
※体育館
・映画学習(月1回)
内容:アルコール依存症を題材とした映画を鑑賞し、感想を述べる
目的:鑑賞して感じたことや思い表現する
※詳しい内容を知りたい方は、下記にご連絡下さい。
医療法人建悠会吉田病院 作業療法士 田中瞭清
Tel:0982-37-0126